研究課題/領域番号 |
60540076
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安藤 毅 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (10001679)
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研究分担者 |
高橋 勝利 札幌医科大学, 講師 (60133774)
中村 美浩 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (50155868)
日合 文雄 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (30092571)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 作用素 / 不等式 / 完全正値写像 / s-number / majorization / 条件付期待値 |
研究概要 |
本研究は数学,物理学に登場する線形作用素の間の不等式および作用素の空間での写像の間の不等式を解明することを目的として開始された。作用素の間の順序としては正定値性、すなわち二次形式としての順序が、また作用素の空間の写像の順序としては、完全正値性による順序が考えられる。これまでは、作用素の空間の写像としては、線形のもののみに完全正値性が考察されていたが、本研究で非線形な完全正値写像の構造が、安藤・Choi,および日合・中村により非可換なモーメント問題として完全に決定された。これに関連して測度論でのLebesgueの分解に対応するものが成り立つことも安藤・Szymanskiにより解明された。 作用素が摂動を受けた場合、これを順序関係だけでは解明できないことが多いが、このときには作用素のスペクトルの間の相互関係を規制する不等式が要求される。ここで中心となる手法がmajorizationによる順序である。本研究では、安藤・Bhatiaは有限次元すなわち行列の場合にmajorizationによる固有値の間の不等式を解明した。さらに最近多くの研究者の興味を引いた問題すなわち二つの行列のHadamard積の特異値の満たすべき不等式に関して、安藤・Horn・Johnsonは最終的な解決を与えた。 無限次元の場合で、作用素が固有値を持たない時にも、そのs-numberが定義できるが、本研究で日合・中村はs-numberの摂動の下での基本不等式を遵出した。中村は等距離作用素の階数1の摂動も解明し、高橋は一貫して縮小作用素の擬相似の問題を追求した。 作用素を条件付期待値の増大列で次々に処理して行ったとき、果してそれが考察している作用素自信に収束するか否かは重要な問題であり、Martingaleの収束問題と言われるが、日合および日合・塚田はその収束条件を解明した。
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