1.研究計画によって企画された講義録、北大数学教室での集中講義とスタンフォード大M.Schiffer教授との議論を参考にして、113P(英文)の形にまとめた。今後再検討を加え、講義録として出版、さらに専門書にもってゆきたい。 2.積分変換の一般論が基本的な概念で、広汎な応用と新しい問題を提供していることが分かった。再生核の理論そのものの建設に基本定理として用いることができることが、北大の安藤毅代の講義録の中で示された。熱方程式、波動方程式、Schrodingerの方程式の解の研究等に新しい視点と結果をもたらし、Fourier-Laplace変換にも新しい局面を開いている。現在Fou-rier-Laplace変換についての第5論文をまとめているが、予想していたより深い現象が起きていることが分かった。 3.さまざまなnorm不等式をみちびいたが、有限次元の場合、行列論になる。広大の西井龍映氏によって、統計学における多変量解析で広汎な応用があることが示され、既に2つの論文としてまとめられている。これは意外な分野における具体的な応用であった。それで行列論における第3論文から第5論文までまとめる機会となった。この第3論文をまとめている最中にBeatrous-Burbeaの末解決の問題が自然に解けてしまった。 4.現在研究テーマについて次のようにまとめられる。(1)再生核の一般論の推進(2)domain funtionsの研究-複素解析(3)積分変換の研究-特に偏微分方程式の解の研究(4)norm不等式の研究(5)行列論の研究
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