• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

不均質塵の物理特性

研究課題

研究課題/領域番号 60540163
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 天文学
研究機関金沢工業大学

研究代表者

向井 正  金沢工大, 工学部, 教授 (10097412)

研究分担者 向井 苑生  金沢工業大学, 工学部, 教授 (00097411)
研究期間 (年度) 1985 – 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード太陽系 / 彗星 / 彗星塵 / 惑星間塵 / 塵の物理特性
研究概要

ハレー彗星探査の成功によって、彗星塵に関する豊富な情報が得られた。これらに基いて、塵の起源・彗星中心核への塵の集積及び塵の流出等を詳しく調べられるようになった。ここでは、不均質塵モデル(汚れた氷塵)に基いて、様々の観測結果を解析した。(1)不均質媒質の光学定数の推定。膨大な組合せが可能な混合媒質の光学定数を理論的に求める手法として、不均質素材の平均誘電率を推定するマックスウエル・ガーネット(MG)混合則を応用した。その正当性を調べるために水とアンモニアの混合氷系の光学定数について、室内測定値と理論計算値との比較を行い良い一致をみた。(2)MG則に基いて、汚れた氷塵の太陽系内における平衡温度を定めた。不純物による可視光吸収量の増加によって、汚れた氷塵は純氷塵よりも高温となる。バウエル彗星におけるOH分子の高い生成率の源として、高温化した汚れた氷塵を想定し、観測量の説明に成功した。(3)高温になった汚れた氷塵は、彗星中心核から拡散できる距離が短い。このため、中心核の周りに拡がる氷塵のカサは狭い。汚れた氷塵モデルを使うと、1天文単位以内に入った彗星が持つ氷塵のカサの拡がりは100キロメートル程度にしかならない。このため、地上観測によって、この氷塵を検出することが難しいことを示した。(4)また汚れた氷塵は光の反射能が低くなり、暗くみえる。ところが、氷成分が昇華するにつれて、不純物(主に金属物質)の相対比が高まり、塵の光反射能が増加する。この点に着目して、彗星から放出された汚れた氷塵の太陽系内での光反射能の時間変化を、塵の運動と併せて論じた。その結果、太陽から離れた遠方の低温領域にある汚れた暗い氷塵が、ポインティング・ロバートソン効果を受けつつ太陽に近づくにつれて、光反射能の高い明るい塵に変化していく様子が示された。以上のように不均質塵モデルが種々の観測事実を説明するうえで有効であることが判った。

報告書

(1件)
  • 1986 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] T.Mukai: Astron.& Astrophys.153. 213-217 (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T.Mukai: Adv.Space Res.5. 339-342 (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T.Mukai: Earth,Moon,and Planets. 36. 145-155 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T.Mukai: Astron.& Astrophys.164. 397-407 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T.Mukai: Astron.& Astrophys.167. 364-370 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T.Mukai eds A.Bonetti;S.Aiello: "Evolution of Interstellar Dust and Related Topics". (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T. Mukai: "Small grains from comets" Astron. & Astrophys.153. 213-217 (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T. Mukai: "Dirty ice grains in comets" Adv. Space Res.5. 339-342 (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T. Mukai: "Optical constants of the mixture of ices" Earth, Moon, and Planets. 36. 145-155 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T. Mukai: "Analysis of a dirty water-ice model for cometary dust" Astron. & Astrophys.164. 397-407 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T. Mukai: "Evolution of albedos of cometary dirty ice grains" Astron. & Astrophys.167. 364-370 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1986 研究成果報告書概要

URL: 

公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi