研究課題/領域番号 |
60540169
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 京都大学 (1986) 東京大学 (1985) |
研究代表者 |
西島 和彦 京大, 基礎物理学研究所, 教授 (50011424)
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研究分担者 |
宮沢 弘成 東京大学, 理学部, 教授 (50011432)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | クォークの閉じこめ / BRS変換 / 世代数 / くりこみ群 / 超収束関係式 / バッグ模型 / 格子ゲージ理論 |
研究概要 |
クォーク理論において最も基本的な課題である閉じ込めの問題を、正統的な場の理論である連続空間ゲージ理論に基き解明することがこの研究の目的である。閉じ込めが実現されるための条件を量子色力学においてBRS変換を利用して調べ、今までに解明された結果を以下に要約して述べる。 上述の目的のために、先づ巾零性を有するBRS変換の表現を求め、その計量的性質を求め、次にBRS変換と密接な関係にあるWARD-高橋の恒等式を一般のゲージ理論の枠内で導き、BRS変換の表現に関する一般的性質とこの恒等式とを組合わせて、クォークのみならずすべての色付き粒子を閉じ込めるための十分条件を見出した。この際に、実際に観測にかかるBRS-重項に属する粒子の場に対しては漸近的完全性を仮定したが、観測にかからず、従って閉じ込められているBRS二重項に属する粒子の場に対しては漸近的完全性を仮定する必要はない。 また量子色力学において世代数は基本的に重要な数であるが、くりこみ群の方法を用いると、世代数が4以下の時に、ゲージ場の二点関数の吸収部分が超収束関係を満たすことが示される。この超収束関係が成立つならば、閉じ込めが成立つことが証明された。この時に現象論的なバッグ模型が成り立ち、また格子ゲージ理論におけるWILSONの面積則も満たされる。従って世代数が4以下ということが閉じ込めのための十分条件である。これが必要条件であるかどうかは計算機実験により判明するであろうと期待される。 なおゲージ理論の位相的側面と関係して量子力学における波動関数の多価性に関する研究も行われている。
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