研究概要 |
[1.装置の自動化、システム化]我々は高音・常高圧ガス下の速い表面反応を追跡する為に偏光解析器,ラマン分光器,質量分析器,UHV装置、高圧分光装置等を組み合わせ、装置のシステム化を行った。更に、計算機による自動計測,迅速測定,データ処理により、システムの高度化を計った。このシステムにより、反応条件下の触媒表面の光学解析が可能となった。表面反応の迅速時間経過測定,反応下の表面層構造解析により従来得られなかった情報が得られた。[2.Fe,Co触媒上のCO,【H_2】ガスの反応]COガスから炭化水素を生成する反応中に触媒表面へ幾つかの炭素種が蓄積し、それらは生成物の量と種類に強く影響する。我々はラマン分光,偏光解析分光により表面カーバイド,グラファイト層の生成過程とその性質を調べた。反応下の表面炭素はアモルファス炭素,グラシー炭素及びカーバイドで、カーバイド中のC原子の状態は【Fe^(-C-)】【Fe^(-Fe)】(Feカーバイド)、【CO^(-C-)】CO(COカーバイド)であることを結論した。このC原子種は水素化反応に活性で、一方アモルファス炭素は全く水素化に寄与しない。表面炭素種の水素化過程の研究には、表面水素の状態の規定が重要である。表面水素は電子分光法では見えない場合が多く、特に反応化の水素の状態はほとんど分らない。強張すべき結果は高温常圧下の表面水素は常温低圧下のそれとは非常に異なることである。表面水素はまず、金属内部へ吸収され、ついで表面水素化物層を形成する。従って表面炭素の水素化過程は金属(触媒)内の溶けたプロトニック水素が金属側から炭素をアタックする機構が重要である。[3.偏光解析データの解析法]今日まで吸着分子、1.2原子表面層による偏光解析応答の実験結果は古典的平行層のモデルで解析してきたが、その結果は定量的にはまちがいである。我々は非古典的解析の方法について検討し、解析法の道筋を示した。
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