研究課題/領域番号 |
60540196
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森垣 和夫 東大, 物性研究所, 教授 (60013471)
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研究分担者 |
竹中 久 東京大学, 物性研究所, 助手 (20013542)
平林 泉 東京大学, 物性研究所, 助手 (80126151)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 光検出磁気共鳴 / 超格子 / 再結合過程 / アモルファスシリコン / A中心 |
研究概要 |
本年度は水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)と水素化アモルファスシリコン窒素合金から成るa-Si:H/a-【Si_(1-X)】【N_X】:H超格子膜(x=0.2,0.4)について、時間分解光検出磁気共鳴の実験を行い、以下の成果を得た。 1.捕技正孔中心(A中心)による光検出磁気共鳴信号がパルス光励起後の時間の関数として観測された。磁気共鳴に伴うルミネツセンスの相対的強度変化は、時間と共に増大した。特にa-Si:H層(井戸層)が20A°,40A°の場合、その増大はバルクのa-Si:H膜よりも大きかった。この結果から、ルミネッセンスに寄与する電子正孔対のゼーマン準位において、平行スピン準位と反平行スピン準位の占有数の差は超格子膜の方がバルク膜よりも大きく、より非熱平衡化の条件をみたしていると考えられる。このような非熱平衡化の増進は、超格子膜における井戸層での電子と正孔の閉じ込め効果によっていると結論された。 2.超格子膜における界面状態に、輻射再結合中心と非輻射再結合中心が存在し、前者は【T3^+】と【N2^-】(それぞれ正に荷電した3配位シリコン,夏に荷電した2配位窒素を表わす)の離れた欠隔対、後者は両者が近接した欠隔対であることが推論された。後者の対欠隔が少ない場合、非輻射再結合はダングリングボンドを通じて起こる。この時は井戸層の厚さが薄くなるに従って、2次元的な性格が強められ、ダングリングボンドを通じての非輻射再結合は弱められる。 このような超格子膜での電子正孔再結合と共に、バルク膜での再結合過程の研究に、時間分解光検出磁気共鳴の実験が有効であることが、昨年度並びに本年度の研究によって明らかにされた。
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