研究課題/領域番号 |
60540199
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
竹添 秀男 東京工大, 工学部, 助手 (10108194)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 液晶 / ツイスト弾性定数 / 強制レーリー散乱法 / フレデリックス転移 / 前駆現象 / 臨界磁場 / 臨界現象 |
研究概要 |
液晶の弾性定数は通常液晶セルの配向方向に対し垂直方向に電場や磁場を印加し、配向の変化が起こり始める(フレデリックス転移)臨界場を測定することによって決定される。ところがツイスト弾性定数【K_(22)】に関しては、スプレー、ベンド変形に対する弾性定数【K_(11)】,【K_(33)】の測定に用いられる通常の方法が使えない。本研究の第一の目的は強制レーリー散乱法による【K_(22)】の測定システムを完成させることにあった。 この目的のために、これまで行ってきた通常の強制レーリー散乱法による染料分子の液晶中での拡散定数測定をネマチック液晶からスメクチックA液晶やスメクチックB液晶に拡張したり、信号強度の温度依存性を詳細に検討したりして、強制レーリー散乱法自身の検討、改良を行う一方、磁場中での強制レーリー散乱装置を製作した。標準試料としてよく用いられる5CBを用いて実験したところ、ある臨界磁場で過渡回折光強度の緩和時間が変化し始めることが確認された。このことは磁場による配向変化によって拡散定数が変化したことを意味し、この臨界磁場から5CBの【K_(22)】が決定された。得られた結果は最近提案されたいくつかの方法による結果と良く一致することが確認された。 本研究の最終目的である臨界現象を観測する為、8CBを用いて予備実験を行った結果、ネマチック-スメクチックA相転移点の約1度以内で【K_(22)】の増加が観測された。しかし、現在のところ臨界指数など定量的な測定はできていない。この原因はおもに温度制御の不備に依るので少なくとも百分の一度の温度精度を実現するため改良を検討中である。このようにまだ研究の最終目的は達成していないが、強制レーリー散乱法によってこれまで困難であった【K_(22)】測定が容易にできるようになったことは大きく評価される。
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