研究概要 |
本研究の目的は金属単結晶清浄表面と気体吸着面の表面電子状熊を逆光電子分光、紫外光電子分光、電子エネルギー損失分光により調べることであったが、次下のような成果を得た。 (1)band pass Geiger-M【u!¨】ller管を作製した。 (2)Cr(110),Fe(110)の電子エネルギー損失スペクトルとAugerスペクトル中に、3p内殻しきい値付近の入射エネルギーで、post-collision interaction効果を見い出した。 (3)Fe(110)清浄表面の光電子分光実験により、従来の定説であったFeの3dバンドサテライトの存在を否定した。 (4)Fe(110)C(2X2)-0,C(3X1)-0吸着面の角度分解光電子分光実験で、酸素2p準位のバンド構造E(k)を詳しく調べた。 (5)Fe(110)C(2×2)-0,C(3×1)-0吸着面の電子エネルギー損失分光により、吸着電子状態間の電子遷移を詳しく調べ、吸着電子結合を解明した。 (6)Ni(110)清浄表面の角度分解光電子分光実験により、T-K-X方向のバンド構造を明らかにし、3dバンドサテライトが3p-3d共鳴付近で1evシフトすることを見い出した。 (7)Ni(110)(1X2)-H吸着面の角度分解光電子分光実験により、HIS準位のバンド構造を詳しく調べ、水素吸着電子結合を解明した。 (8)Ni(110)(3X1)-0,(2X1)-0吸着面のバンド構造を角度分解光電子分光により詳しく調べ、吸着電子結合を解明した。また、80Kでの酸素吸着で、薄いNiO酸化物層の上に酸素分子が物理吸着することを観側した。これは時間とともに解離する失駆状態であり、酸化物の成長に直接寄与することを見い出した。
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