研究分担者 |
本田 勝也 名古屋大学, 工学部, 教務員 (50109302)
黒田 義浩 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60013504)
三宅 和正 名古屋大学, 教養部, 助教授 (90109265)
加野 泰 名古屋大学, 教養部, 教授 (60023561)
柏村 昌平 名古屋大学, 教養部, 教授 (80023563)
|
研究概要 |
(1).超流動^4Heの渦系乱流に対する統計理論と2流体力学が確立され, 拡張されたVinen方程式及び相互摩擦力の表式が導出された. さらに超流動速度場に対する渦粘性の存在とその評価についての予言がはなされ. (2).上記Vinen方程式の非定常, 非一様な特解が, 細管中で実験的に観測されているいくつかの乱流パターンに対応することが確認された. (3).渦系発生に伴う上記渦粘性の出現が, 実験でみられる細管の両端に発生する異常圧力差の原因とみなされることが提言され, その数値的評価が今後の課題として残された. (4).Covette-Taylar流の線形不安定性が, 2種類の相互摩擦係数, 渦系の張力, 円筒上下面での渦系の摩擦力等が考慮された2流体流体力学方程式に基いて調べられた. しかし, 実験では測定されている臨界Taylar数の大きさ, 温度依存性と定性的にも一致しないことがわかり, これにより今迄考慮されていない過粘性の重要性を示唆している. (5).超流動^3Heが有限領域に閉じこめられるとき, バルク状態と異なる凝縮相の実現可能性が検討され, バルク状態ではA相が実現している領域に代りサイズ効果によりB相の方が安定すること, またバルク状態では観測されていないplanrr状態が容器壁での境界条件によっては実現する可能性が, 変分計算により確かめられた. (6).空間的に制限された形状の基盤に吸着された^4Heの超流動性が2つの場合について調べられた. Zeclite内の^4Heでは空間的制限により, ボーズ統計性の消失により超流動転移温度の降下が起きること, Vycorガラスや焼結金属微粒子に吸着された^4Heでは, 渦対間の相互作用が純二次元の時と異なり一次元的となることが示され, 観測結果と定性的に一致することが明らかにされた.
|