研究概要 |
1.CO_2レーザーとダイオードレーザーによる二重共鳴法の測定を行い, CO_2レーザー照射によってレーザー上準位(001)と衝突によって結合している準位系(上準位系)で振動温度Tvが下がり, 下準位(100)系ではTvが上ることが解った. また分子の絶対数を算出し, CO_2レーザー照射によって(001)準位の分子数N_<001>が4.2×10^<15>/cm^3から3.4×10^<15>/cm^3に減少し, N_<002>が6.7×10^<14>/cm^3から2.7×10^<14>/cm^3に減少, N_<011>が4.3×10^<14>/cm^3から3.0×10^<14>/cm^3に減少した. これより, V_3モード間の結合の大きいことが解った. 2.高い振動励起状態で発振するCO_2シークエンスレーザーを製作し, 出力および安定度の高い発振を得た. S/N比を上げる目的で信号を精算し, コンピュータと連結しノイズをカットするシステムを開発した. パルスゲイン法によってレーザー利得波形を測定し, その圧力依存性からシークエンスレーザー準位の振動緩和定数を求めた. その結果レーザー上準位(002)についてはレギュラー上準位(001)と同程度の値が得られた. 3.シークエンスレーザーの利得のJ-profileを測定し, レーザー準位の回転温度Trot【similar or equal】80K, 反転分布数比N_2/N_1【similar or equal】02(電流値45mA,N_2;レーザー上準位の分子数,N_1;レーザー下準位の分子数)と求まった. Trotの値はレギュラーレーザー準位と同様, ガス温度と熱平衡にあり, N_2/N_1の値はレギュラーレーザー準位に較べて小さいことが解り, シークエンスレーザー発振の難しさを実験的, および理論的に裏付けた.
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