• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ヒノキアスナロ林の分布と群落種組成の成因に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60540418
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 生態学
研究機関山形大学

研究代表者

斎藤 員郎  山形大学, 教養部, 教授 (70004356)

研究分担者 青山 高義  山形大学, 教養部, 教授 (90087148)
山中 三男  高知大学, 理学部, 教授 (50004461)
石塚 和雄  山形大学, 教養部, 教授 (90007097)
ISHIZUKA Kazuo  Fac. General Education, Yamagata Univ., Professor (70004356)
研究期間 (年度) 1985 – 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1987年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワードヒノキアスナロ林 / 遺存群落 / 群落種組成 / 水文気候 / 降積雪 / 花粉分析 / 植生史 / 最終氷期のrefugia / 群落の成因 / 気候 / 種多様性
研究概要

1.ヒノキアスナロの分布域は, 能登半島を南限として北は北海道檜山地方まで, 温量気候では暖温帯から亜高山帯上部まで広い範囲に及ぶが, その生育地も地理的には散発的である. その群落型は, 桧山, 津軽, 下北, 上北などではブナ・ヒノキアスナロ林が, 北上山地ではコメツガ・ヒノキアスナロ林が, さらに弘南地方や鴬宿地方, 佐渡島ではスギ・ヒノキアスナロ林がみられるほか, アオモリドドマツ(吾妻山, 早池峯, 日光鬼怒沼山), ワラジロガシ(能登, 佐渡)と混生し多彩であ.
2.ヒノキアスナロは, スギ分布より寡雪的で夏期に乾燥に傾く地域でとくに濃い分布密度を示している. このことは, スギが裏日本型の湿潤気候に適応するのに対し, ヒノキアスナロは裏日本型から表日本型に移行する準湿潤気候に適応していることを示している. ヒノキアスナロは多雪山地では低地に限られるが, 寡雪山地では高地にまで及んでいる. 海抜高度が降積雪量と関係することを考慮すれば, ヒノキアスナロの分布や生育の限界は降積雪量に深く関わっていることが明かである.
3.ヒノキアスナロを含むThuionsis属は第三紀針葉樹林の構成種として東北日本の各地で氷期を越えて生存しえたことは, 花粉化石や大型化石が最終氷期最盛期や晩氷期堆積物から検出されることによって立証される. 北日本の最終氷期最盛期におけるヒノキアスナロのrefugaとして森林ツンドラと針葉樹林が考えられる.
4.ヒノキアスナロの主な群落型(フナ・ヒノキアスナロ林, コメツガ・ヒノキアスナロ林, スギ・ヒノキアスナロ林)の成立のメカニズムを, ヒノキアスナロの生態的特性と後氷期植生変遷にもとずいて考察した結果, 現存するヒノキアスナロ個体群は各地でそれぞれ氷期を生きながらえた個体群の末裔であると考えられる.

報告書

(2件)
  • 1987 研究成果報告書概要
  • 1986 実績報告書

URL: 

公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi