研究課題/領域番号 |
60540419
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮崎 龍雄 筑大, 生物科学系, 講師 (80142230)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | Carbon uptake / Diel periodicity / Nitrogen uptake / Phytoplankton |
研究概要 |
湖沼植物プランクトンのおかれている環境条件では、光・温度等の環境要因は時間的に一定でなく常に変動している。この変動は植物プランクトンに多大な影響を与えていて、湖沼植物プランクトンの増殖・競争等の解明には無視できないものである。本研究では、この変動(特に光変動)の植物プランクトン光合成・窒素利用活性への効果を調べ、湖沼での増殖について考察した。 まず、冬期混合期にある竜ケ崎市郊外の中沼で、植物プランクトンの上記活性を測定した。この測定結果は、光合成とアンモニア態窒素の取込が暗条件下で挙動が異なることを示し、光の時間的変動に対する植物プランクトンの反応として解釈しうることを示した。時間的変動の影響を更に調べるため、成層期・混合期における炭素・窒素取込の一日のうちでの変化について測定した。炭素取込(光合成)活性は、昼には高いが、夜間にはほぼゼロになった。しかし窒素取込は夜間ゼロにならず、また暗条件下では活性の最大が夕方にあった。数式モデルを用いて検討すると、光合成で生成された貯蔵炭水化物が窒素化合物取込に寄与していると解釈できた。即ち、植物プランクトンは、光の強いときと、光合成で生成された炭水化物を貯蔵し、弱光下あるいは夜間の栄養塩取込を支え、ひいては増殖生育を維持していると説明できた。異なるタイムスケール(週単位)での活性測定でも、同様の結果が得られ、上記解釈の妥当性が示唆された。 以上の結果は溶存炭酸が比較的多い中性湖でのものであるが、溶存炭酸の少ない酸性湖沼などでは異なる結果がでるとも考えられ、今後の検討課題である。
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