研究概要 |
アシナガバチ創設メスによるオスメス(新女王)生産スケジュールとオス生産開始におよぼす日長の影響を調べた。 A.温帯産アシナガバチにはオスメス生産スケジュールタイプとして少なくとも次の3つがあることを明らかにした。(1)オスメス同時生産型(Simultaneous production type)(2)オス生産先行型(Protandrous production type)(3)メス生産先行型(Protogynous production type) (1)にはセグロアシナガバチ、(2)にはコアシナガバチ,キボシアシナガバチ,ヤマトアシナガバチ、(3)にはフタモンアシナガバチやホソアシナガバチなどが属していた。 B.上記各タイプに属する、セグロアシナガバチ,コアシナガバチ,フタモンアシナガバチについて、オス生産開始時期におよぼす日長の影響について比較し、次の結論を得た。 (イ)セグロアシナガバチとフタモンアシナガバチでは、オス生産開始時期が日長の影響を受けて早くなったり遅くなったりする。両種とも短日条件下で早くオスを産みだす。ただし、オス生産開始後フタモンではほとんどオスのみを生産するに対し、セグロではオスメス共に生産しつづける。 (ロ)コアシナガバチのオス生産開始(および終了)時期決定に、日長が関与することはない(あっても微弱)。オス生産開始と終了はコアシナガバチの内的要因によって決まる。
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