研究課題/領域番号 |
60540428
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理学
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
増田 宏志 帯広畜産大, 畜産学部, 助手 (00003111)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 馴化培養細胞 / 2.4D要求性培養細胞 / 細胞塊形成 / 不形根形成 |
研究概要 |
4週間生育したテンサイ葉片を0.25mg/lBAを含むMS寒天培地で培養すると馴化カルスが、またこの培地に0.1mg/l2.4Dを加えると2.4D要求性カルスがそれぞれ誘導された。この場合の馴化カルスは0.25mg/lBAで最大であった。一方、葉片を0.25mg/lBAを含むMS液体培地で振盪培養すると、葉片から単細胞が遊離される。この単細胞を新しいMS液体培地に移植し、培養すると約2週間目から細胞塊が形成され、以後増殖する。この培養細胞もまた馴化の性質をもつ。この場合、細胞塊誘導には単細胞形成のときはBAが必須であるが、単細胞から細胞塊形成には植物ホルモンの存在は必ずしも必要ではない。2、4Dが単細胞形成のときに存在した場合には細胞塊が形成されるが、BA存在下で形成された単細胞から2.4Dの存在で細胞塊が形成される。 馴化懸濁培養細胞のコンデショニング培地で単細胞を培養すると従来の培養細胞と異なる細胞塊が形成され、さらに不定根が形成された。この細胞塊形成は次の過程で行われる。即ち、単細胞から膜状物質が生じ、これが大きくなり、それから新しい小さな細胞が出現する。この膜状物質は単細胞から離れ場合でも細胞は観察される。出現した細胞は相対的に大きいが培養が進むに従い細胞分裂し小さくなり、細胞が密となった細胞塊から不定根が形成された。この過程を走査型顕微鏡で観察した。単細胞の表面より細胞壁が剥れ、また細胞壁とは異なるものがめくり上り、単細胞から離れた状態で新らたに細胞が出現し、細胞塊が形成されることが観察された。CAPI蛍光染色法で膜状物質には数個の核が存在した。蛍光染色法で細胞壁もわずかに観察された。一方、馴化細胞および2.4D要求性培養細胞にIAAが存在することがインドロ-α-パイロン蛍光法およびHPLC分析法で確認した。この場合、馴化細胞の方がIAA含量が高かった。また、細胞外液に極わずかではあるがIAAが検出された。
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