研究課題/領域番号 |
60540450
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物形態・分類学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
福田 育二郎 理科大, 理学部, 教授 (30087324)
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研究分担者 |
長島 秀行 東京理科大学, 理学部第一部, 講師 (50084306)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1986年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1985年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | イデュコゴメ / 葉緑体ヌクレオイド / 細胞進化 / 真核藻類 / DAPI染色法 |
研究概要 |
(1)今回購入したオリンパス落射型蛍光顕微鏡装置を用いて、イデュコゴメの培養細胞についてDAPI染色法によるオルガネラ核構造の観察を行ない、また顕微鏡テレビ法を用いてDNAの定量化に努めた。RK-1型,M-8型ともに細胞核・葉緑体核・ミトコンドリア核の分化は認められるが、RK-1型は現在知られている真核藻類としては最も下等なものと考えられ、葉緑体ヌクレオイドは棒状(CN型)で、藍藻に近縁でありDNA量も少ない。M-8型は環状(CL型)であって、褐藻や珪藻に近縁のものと考えられる。今回は中枢(細胞核)と端末(葉緑体核)とのDNA量を定量化することによって、真核化の度合いを示すめやすとし、細胞進化機構を比較検討した。 (2)イデュコゴメM-8型はブドウ糖を加えた有機培地の方が、明暗両条件ともに良好な発育を示すので、このDG細胞に光を照射し、葉緑体核と光合成活性およびヒル反応との量的関係を求めた。その結果、DG細胞の光合成活性は失われているが、光照射によって3日間で構造機能ともに旧に復した。その間のヌクレオイド蛍光像を画像解析装置によって面積定量を行なった結果、葉緑体およびヌクレオイドの量的増加が光合成活性の増加とよく対応した。 (3)イデュコゴメ細胞の同化産物については、既に低分子炭水化物特にフロリドシド類についての分析結果を発表しているが、今回は炭化水素および脂肪酸についてガスクロによる分析を行なった。M-8型とRK-1型はこの点でも特徴的な違いを有し、RK-1型は相当量の奇数炭素系のn-アルカン酸を有する特異的な微細真核藻類であることを示した。 (4)イデュコゴメ細胞の生態学的分布とモノグラフについては今研究期間中も調査を続行し、新たに草津、万座、渋などの温泉中から本藻の新株を採集分離した。
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