研究課題/領域番号 |
60540468
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
大岡 忠一 都立大, 理学部, 助教授 (10087124)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | グアニレート・シクラーゼ(グアニル酸シクラーゼ) / 環状GMP(サイクリックGMP) / 環状ヌクレオチド / 甲殻類 / サイナス腺 / 血糖上昇ホルモン / アメリカザリガニ |
研究概要 |
前年度の研究結果から甲殻類のグアニレート・シクラーゼの分布及び酵素的性質の知見に基づき、今年度は特に本酵素の生理的調節機能に関して、(1)膜結合性及び可溶化された状態に関して、【Mn^(2+)】など金属イオンや基質GTPの濃度変化による酵素分子量等の変化、(2)サイナス腺に存在する血糖上昇ホルモンの効果などについてしらべた。 (1)酵素の物理化学的性質については、可溶化された酵素はゲル濾過法によりルブロール存在下で約17万の分子量を有し、洗剤の非存在下ではこの会合体となること、また膜結合性の酵素は、可溶化された酵素と異って基質GTPに対する正の協調性が顕著で、サブユニット構造をもつ調節機能を具えた酵素と類似の性質をもっていることが示された。 (2)サイナス腺の血糖上昇ホルモン(CHH)をアメリカザリガニ眼柄から分離精製して、これを単離した器官・組織などに加えて効果をしらべ、また膜結合性のグアニレート・シクラーゼとインキュベートしてこの効果をしらべた。 その結果、この動物の心臓・腸などに血糖上昇ホルモンを与えることにより、組織内の環状GMPレベルは約40倍にも上昇すること、環状AMPのレベルは殆ど変化しないことが分かった。グアニレート・シクラーゼの活性化については、種々の条件を検討した結果、同じ動物の心臓のホモジネート又は膜分画をもちい、ホルモン存在下で、非存在下に比して約10倍の活性上昇が示された。あらかじめ眼柄を除去した動物を用いることは、ホルモン感受性のグアニレート・シクラーゼを得るために有効であった。この酵素の活性は不安定であり、30゜にインキュベートすると急速な活性低下が見られるが、同時にホルモン感受性も失われることも知られた。最後に環状GMPの生理作用について実験を行ない、ジブチリル環状GMPがこの動物の心臓の拍動を抑制、腸の運動を促進することが分かった。
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