研究概要 |
桜島火山灰についてモード分析, 化学分析, X線回折, 示差熱分析, 偏光顕微鏡観察, 走査電子顕微鏡観察および粒度分布測定を実施した. 火山灰は, 外観により, 黒灰, すなわち通常の火山灰, 脱珪酸, 3価鉄酸化物に富むことおよびαークリストバル石・含水硫酸カルシウム・無水硫酸カルシウム結晶の存在で特徴づけられる赤灰, 並びに発泡状火山ガラス粒子の多いことで特徴づけられる白灰の主に3グループに分けられる. 通常の火山灰における発泡状火山ガラス粒子の存在および含水硫酸カルシウム結晶の存在が明らかになりつつあり, この事実は, 噴出時, 火山灰が断熱膨脹や火山ガスによるある種の化学反応を経験したことを示すものとして重要である. 自然環境および社会環境は, 火山灰と随伴火山ガス成分に起因する2要因, すなわち火山灰構成物質の質と粒度による物理的要因および火山ガス成分による化学的要因によって悪影響をこうむつている.
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