研究課題/領域番号 |
60550002
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 啓司 北海道大学, 工学部, 講師 (20002313)
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研究分担者 |
上野 時宏 北海道大学, 工学部, 助教授 (70001310)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | アモルファス半導体 / カルコゲン系物質 / 光物性 / 光黒化現象 / アモルファス構造 / 圧縮率 |
研究概要 |
本研究はカルコゲン系アモルファス半導体の基礎的物性の統一的理解を狙ったものであり、主に構造及び光物性の組成及び圧力の変化に対する実験的研究に基づいている。光物性の内でも、光誘起現象が集中的に研究されている。本研究の成果は二点に要約される。 第一は、ミクロ構造、特に中距離秩序構造の実体が明らかになったことである。すなわち、アモルファス半導体の構造は共有結合平均配位数Zで規定され、Z【_!〜】2では一次元的な構造をとっているが、Zの増加と共に架橋してZ【_!〜】2.7で二次元的構造となり、Z【_!〜】4で三次元的網目構造をとると考えられる。この結論は、原子容,圧縮率,X線回折パターンなどの組成依存性などから導びかれた。勿論、より詳細に見ると、構造は製法の違いなどを反映する。例えば、1000℃付近から高速急冷された【As_2】【S_3】ガラスは、多くの等極性結合を含むことも明らかとなった。 第二は光黒化現象に関するもので、これの機構が明確となり、又その大きさが定量的に推定できるようになった。従来から光黒化現象は光メモリーなどへの応用が期待され、その原因を明らかとすることが望まれていたが、本研究によってそのオリジンがカルコゲン原子の首ふり運動によることが定量的に明らかとなった。又上記の構造に関する研究に関連して、Z【_!〜】2.7の材料が最大の光黒化現象を示すことも明らかとなった。又強く集束された光によって、光黒化現象の大きさは従来から観測されている値の2倍にまで高められることも推定された。 今後、第一と二の研究を発展させ、光構造変化と光黒化現象の関連を研究することによって、より一層の統一的理解を目ざす予定である。
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