研究課題/領域番号 |
60550004
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
今村 舜仁 千葉大, 工学部, 教授 (20134348)
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研究分担者 |
北村 孝司 千葉大学, 工学部, 講師 (20009541)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 非晶質 / カルコゲナイド / 光導電 / キャリヤ輸送 / セレン / 光キャリヤの空間分布関数 |
研究概要 |
非晶質カルコゲナイドは光導電材料として広く実用化されている重要な材料であると同時に非晶質半導体の物性的特徴が顕著であり、基礎的にも重要な意義を有する材料である。非晶質材料中の光導電キャリヤの挙動は過渡光電流によく反映され、2つの型に大別されるのが一般的である。これは輸送キャリヤの輸送特性にもとづくキャリヤの空間分布に差異によるものと考えられている。本研究の研究者はこの空間分布を実測するる実験的手法を創案し、実測に初めて成功した。本研究はこの手法を展開し、砒素を含むセレンカルコゲナイドを試料として空間分布および輸送中におけるその時間的変化を測定し、輸送キャリヤの微視的挙動を明かにし、併せて空間分布に関する従来の理論的予測を検証し、さらにカルコゲナイド超多重落膜内のキャリヤ輸送挙動を明かにし、新しい光電素子開発の基礎資料を得ることを目的とした。輸送挙動については次のような成果が得られている。 (1)【As_2】【Se_(98)】の電子キャリヤはガウス型確率過程にしたがって輸送され理論と一致する。空間分布形は輸送時間とともに半値幅が広がるがドリフト移動度は一定に保たれている。(2)【As_2】【Se_3】の正孔キャリヤは分散型挙動を示す。キャリヤは時間経過とともに試科内全体に分散分布する。移動度も分散するが、最も速いキャリヤの移動度が通常求められている移動度とほぼ一致する。なお、分布の最大点はほとんど移動しない。分散の原因はキャリヤのトラップと密接な関係がある。これらの結果は基礎的応用的に重要な意義をもつもので国内外で好評である。超多重落膜については計画に従い形成装置の試作を完了し、いくつかの材料の超多重膜を形成し、光導電特性の測定を開始している。今後、研究の展開をはかっていく計画である。
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