研究課題/領域番号 |
60550053
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械材料工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 達雄 京大, 工学部, 教授 (10025950)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 寿命評価 / 塑性疲労 / 多軸応力 / 損傷力学 |
研究概要 |
疲労き裂の伝ぱが、巨視的立場から展開されてきた破壊力学によって多くの有益な知見を与えたのに対して、本研究はき裂の発生とその伝ぱを連続体力学の視点からとらえるために損傷力学の概念を適用しようと試みたものである。すなわち、塑性疲労き裂は、負荷される応力の方向に依存するすべりの蓄積によって生じるとし、その方位分布に対する解析と実験による検証、さらにこれによって生じる粒界き裂の発生と寿命評価について損傷力学的な検討を加えたもので、得られた結論は次のとおりである。 1.単結晶に多軸応力が負荷されたときのシュミットテンソルを定義し、試料表面に生じるすべり帯の方位と応力の関係を解析的に与える理論を与えた。 2.これを方位がランダムに分布する多結晶体に適用し、多結晶表面のすべり帯強さの分布と応力の関係を理論的に明らかにし、これを純銅の多軸応力下の塑性疲労の実験結果によって検証した。 3.すべりによる繰返し変形が結晶粒界に蓄積されるとして、粒界き裂発生の条件を粒界面上に繰返される応力とひずみ範囲によって規定し、そのパラメーターの大きさと方位分布を解析的に求めることを試み、実験によってその妥当性を明らかにした。 4.粒界き裂発生を規定するパラメーターを用いて、種々の組合せ応力および組合せが変動する場合の塑性疲労に適用し、寿命評価のクライテリオンを提案した。この結果、従来の塑性ひずみ範囲のみを支配因子とした場合よりも良好な寿命予測が可能であることが明らかになった。
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