研究概要 |
61年度は、傾斜計をよりコンパクトにすることを検討した。また、従来から知られている連鎖法や遂次2点法も含めた一般的な形で、提案した2点法を検討し、縦分解能,空間周波数分解能などを明らかにした。得られた結果の要点を以下に述べる。 1.光源を発光ダイオードから半導体レーザに置き換え、よりコンパクトで高精度の傾斜計を目標に新たに光電式の傾斜計を作成してみた。その結果、光学系の扱いが簡単になり、傾斜計自身もコンパクトにすることが可能であること、比較的容易に反転測定の可能な水準器を作成しうることが確認できた。 2.しかし、入手しうる安価な半導体レーザでは光源としての安定性が不足し、結果的には発光ダイオードの場合と同程度の分解精度しか得られなかった。よりコンパクトで高精度の精密傾斜計の作成は今後の課題である。 3.従来用いられてきた連鎖法,遂次2点法も足幅とサンプリング間隔を完全に一致させる必要はなく、1〜2割の違いが両者の間にあってもほとんど誤差を生じないことを示した。また、このことは、先に示した3角計連鎖の平面度測定にも適用できる。ただし、サンプリング間隔の2倍以下の波長の周波数成分の存在する場合は、折り返しの誤差をまぬかれないという難点は厳密な遂次連鎖法と同様である。
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