研究課題/領域番号 |
60550085
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械工作
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
杉田 忠彰 金沢大, 工学部, 教授 (70019769)
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研究分担者 |
遠藤 勝義 金沢大学, 工学部(現在 大阪大学・工学部), 助手 (90152008)
上田 完次 金沢大学, 工学部, 助教授 (50031133)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | セラミックス / エンジニアリングセラミックス / 高速マイクロ切削 / 材料除去機構 / 塑性変形型材料除去 / 破壊力学 / J積分 / 部分安定化ジルコニア |
研究概要 |
セラミックスが最近、機械構造用材料として多用されてくるに伴い、その加工性の向上に対する要求が一層強まっている。そこで、本研究はセラミックス部品の加工による強度信頼性低下を避けるために、仕上げ面き裂を抑制する加工法としてダイヤモンド単刃工具による高速マイクロ切削加工法を提案するとともに、その基礎的メカニズムを解明することを目的としている。 そのため、まず、セラミックスの切削に伴う材料除去機構を破壊力学により解析する方法を示す。そして、き裂伝播が関与しない塑性変形型材料除去機構の可能性を、弾塑性破壊力学パラメータJ積分及び温度分布の解析により理論的に追及する。ついで、微少切込み機構と空気軸受方式による高速マイクロ切削装置を開発し、各種セラミックスについて実験的検討を行う。 その結果、SiC、【Al_2】【O_3】については脆性破壊型が起こりやすく、部分安定化Zr【O_2】、WC-Coは塑性変形型の切りくずを生成しやすいことまた、【Si_3】【N_4】は両者の中間に位置することが解析的に明らかにされた。さらに、切り込みが小さくなるほど塑性変形型材料除去が起こりやすいことも明らかにされた。つぎに、走査型電子顕微鏡内に設けたマイクロ切削装置により、塑性変形型材料除去の可能性を実験的に調べた。そして、SiC、【Al_2】【O_3】では、脆性破壊型材料除去が観察されたのに対して、部分安定化Zr【O_2】とWC-Coでは、切込みが数μm以下であれば、金属切削と同様の切りくず生成が起こることが観察された。また、【Si_3】【N_4】、ガラス、SSi単結晶では低切削速度では塑性変形型切りくずは生成しなかったが、高速マイクロ切削において塑性変形による切りくずの生成が認められた。以上のように、セラミックスにおいても高速マイクロ切削により、塑性変形型の材料除去が可能であり、良好な仕上げ面を得ることができ、本研究の目的はほぼ達成できたと思われる。
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