研究課題/領域番号 |
60550165
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
植村 正 関西大, 工学部, 教授 (50067568)
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研究分担者 |
伊与木 茂樹 関西大学, 工学部化学工学科, 助手 (60098100)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 吸収式冷凍機 / 吸収式ヒートポンプ / 作動媒体 / 吸収剤 / メタノール / 臭化リチウム / 塩化亜鉛 / 腐食抑制剤 |
研究概要 |
本研究では、水-メタノール-臭化リチウム-塩化亜鉛系の吸収式冷凍機や吸収式ヒートポンプを設計する場合に必要な基礎的物性値である、この系の溶液の物理的および熱的性質を測定した。また、この系を種々の型式の吸収式冷凍機および吸収式ヒートポンプに用いた場合の理論上の性能や動作特性を明らかにし、他の系のそれとの比較検討も行った。さらに、この四成分溶液には、かなり激しい腐食性を有することが考えられるので、一般に効果のあると考えられる有機および無機の腐食抑制剤を選び、大気圧下と高圧下における沸騰試験により、この四成分系に適する腐食抑制剤を見いだす研究も行った。以下に本研究で得られた結果について示す。 本系は、水にメタノールを加えて作動媒体側を二成分としたため、蒸発温度を0℃以下で運転することができ、空調用のほかに冷凍用の使用も考えられる。本系は吸収剤として塩化亜鉛を加えたため動作範囲が広くとれるようになり、空調用としては太陽熱のような低温熱源を利用して空冷方式での運転が可能であり、また冷凍用として用いた場合でも空冷方式による運転も考えられることや、さらに吸収式ヒートポンプとしても採用が考えられる有望な系である。本系に有効な腐食抑制剤は、大気圧下の沸騰試験では水酸化リチウムと同時に添加したトリルトリアゾール,5-メチルベンゾトリアゾール,モリブデン酸リチウム,硝酸リチウムであることがわかった。このうち、トリルトリアゾールと硝酸リチウムの最適添加量を求めた結果、前者については0.15wt%程度、後者については0.3〜0.4wt%程度であることがわかった。さらに、高圧沸騰試験により、この二種類の腐食抑制剤の効果について調べた結果、(水酸化リチウム+硝酸リチウム)については有効であるが、トリルトリアゾールについては、水酸化リチウムと同時に添加しても効果のないことがわかった。
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