研究課題/領域番号 |
60550189
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
豊田 淳一 東北大, 工学部, 教授 (70054319)
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研究分担者 |
内藤 文信 東北大学, 工学部, 助手 (00005357)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 電力系統保護 / ディジタル保護システム / 過渡高調波 / 測距インピーダンス / 距離継電方式 |
研究概要 |
本研究では、昭和59年一般研究(C)において開発した過渡高調波共振除去手法を展開し、故障の種別、測距インピーダンスの推定について基礎的検討を行った。電力系統の超々高圧送電線の線路と無効電力設備の損失は小さく、その容量は大きい。従って事故時の回路過渡現象により生じる過渡高調波は減衰が小さく、基本波の非整数次高調波を多量に含有することになる。この固有周波数は、基本波と第2調波に近く、故障の発生地点により周波数が変化するという性質がある。したがって、DFT(離散型フーリエ変換)など整数次高調波を除去する手段は利用できないことになる。 本研究で開発した方法は、指数関数的に減衰する正弦波変動の離散的データの間に存在するベクトル連鎖関係を利用し、不必要な過渡高調波成分を共振除去する方法であり、非再帰型フィルタを基本としている。推定された測距インピーダンスは、保護領域の境界上で高精度の故障位置の推定を与えるが、故障地点が保護領域の境界から離れると、過度高調波共振除去の効果がうすれ、故障位置の推定精度が落ちる性質がある。この欠点を補う目的で、カルマンフィルタを利用したフェザーの推定方式の開発、適応型パラメータ推定手法を利用した故障種別・故障相の同定について基礎的検討を進めた。 電力系統保護には、いわゆる「線」を保護する送電保護と「面」を保護する配電保護があるが、従来手のつけられていなかった面保護についてグリッド系統を対象に基礎的検討をすすめ、領域共鳴推定理論の適用可能性について検討を加えた。これにより複数の測定地点の選び方、故障判定に及ぼす測定点の効果を評価する方法、二次元故障位置検出の可能性について明らかにし得た。領域共鳴推定理論による電力系統保護について、以上概要を述べたように有意義な研究成果を得ている。
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