研究概要 |
工作機械の主軸駆動やヘリウム液化機、真空ポンプ駆動用に開発が急がれている超高速電動機として、リラクタンス電動機システムを提案し、その固定子、回転子鉄心ともアモルファス材を用いることにより低鉄損化と、耐遠心力性の優れた回転子を持つ電動機の実現を目的として研究を行なった。本研究で得られた成果の概要は次の通りである。 1,試作アモルファス電動機・発電機セット(ロータ径22mm,ロータ長25.5mm,ステータ外径50mm,使用アモルファス材METGLAS2605S-2)について、定数測定、無負荷試験(特に高速時の鉄損の測定とアモルファス化の郊果の評価)、負荷試験を行なった.その結果.(1)36000rpm(600Hg)において鉄損は2〜3Wであり、これは従来のケイ素鋼を用いた場合の1/5〜1/7以下である。(2)36000rpmで出力210Wが得られた。この時の効率は約81%である。(1)の結果から、従来のケイ素鋼板で同一寸法の電動機を製作した場合の効率は、70%程度と推定されることから、アモルファス化の効果が極めて大きいことが明らかとなった。 2,リラクタンス電動機の高速トルク制御法を明らかにした。超高速機では回転子構造を簡単にするため、ダンパ巻線は使用できないので、初期過渡りアクタンスは大きくならざるを得ない。このことは、高速トルク応答を得るためには、インバータの出力電圧を高めなければならないことを意味する。そこで本研究では、インバータ電圧が予め制限されている下での、最大トルク応答を得るための制御方式を開発した。 3,リラクタンス発電機の出力電圧制御法について検討し、負荷の大きさに拘らず、出力電圧変動率を所望の値以内に抑制できる制御方式を開発した。
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