研究概要 |
初年度はフライホイール付巻線形誘導機(IOKVA)の二次側にPWMインバータ(100A)を接続し、高調波の補償等の性能改善につとめた。 1.スイッチング周波数2KHz以上が必要で多重化しなければならない。 2.0.5msec内の過渡応答が得られシステムの高速制御性が立証された。 3.有効エネルギーフロについて調べた結果90%以上はフライホイールより供給されることがわかりインバータは全容量の20%程度でよい。 4.インバータに電力を供給するコンバータは一方向でよくダイオード整流回路で構成できる。 などが判明し、次年度に使用する補償システムを完成した。 次年度は、このシステムの種々の実験,電力系統の補償の実験を行った。 1.フライホイールの有効エネルギーを用い瞬時停電の補償実験を行った。 2.インバータを並列二重化し、二相化するシステムを考案し、同一スイッチング周波数でこれに伴なう高調波を25%程度に減少できた。 3.これによりGTOインバータを採用しても0.5msecの応答が得られ、高調波も1-3次以下のランダムフリッカが補償可能である。 4.インダクタンス,コンデンサ,高調波発生負荷,振動を生じさせるための同期機よりなる模擬送電線路を試作した。 5.このシステムを用いて負荷のオン・オフ時の振動を抑制するために、瞬時的な無効電力の制御と有効電力の過渡変動の抑制を行った。有効電力はフライホイールの分しか供給できないため、負荷の有効電力を一次遅れのフィルタを通し、その出力に追従して送電線路の有効電力を制御する手法を用いた。ステップ的な負荷変動に対して、この時定数を種々変化させ試験した結果、一般送電線路で0.5sec以上あれば充分であることが判明しこのシステムの有用性が実証された。
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