研究課題/領域番号 |
60550214
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田村 康男 早稲田大, 理工学部, 教授 (90063510)
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研究分担者 |
森 啓之 明治大学, 工学部・電気工学科, 助手 (70174381)
餘利野 直人 早稲田大学, 理工学部・電気工学科, 助手 (70182855)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1985年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | マシュー線図 / 外部型・内部型パラメータ共振 / Multiple Scales法 / モード相互のエネルギー授受 / 包絡線の微分方程式 / 長周期安定度 / インテリジェントな監視・警報 |
研究概要 |
1周期外乱に対する電力システムの動揺とマシュー型方程式の相似性に注目して、長周期・弱制動振動現象の解明の拠り所を与えた。 2元来非線形な送電特性を有する交流電力システムに、非線形系の解析手法で摂動法の一種であるMultiple Scales法を適用し、パラメータ共振の二種の型、即ち外部型(周期性外乱が有る場合)及び内部型(周期性外乱が無い場合)に対する共振条件を導いた。 3外部型共振現象の嚴しさを表わす二つのスカラー指標ΔAとδwを導き、理論・シミュレーション・実驗の三者の比較を行う時の尺度として用いるだけでなく、電力システムの監視・警報に使用可能であることを強調した。内部型共振の嚴しさを表わすために、同調のずれδε〔γad/s〕をスカラー指標として提案し、インテリジェントな監視・警報に有効であることを主張している。さらに内部型共振現象に就いて、包絡線の微分方程式を導出し、内部型共振発生の有無を見究める有力な手段として使用すると共に、長周期・弱制動振動の能率の良い解析法への端緒を開いた。 4模擬送電系統を用いた実驗室的檢討を行い、外部型共振については、理論・シミュレーション・実験の三者が極めて良く一致することを確認した。内部型共振については、実驗結果が必ずしも他の二者と明確に合致するとは云いがたい点も残されているので、今後共檢討を続けたいと考えている。 5以上二年間にわたる研究によって、研究課題の電力システムにおけるパラメータ共振モード相互のエネルギー授受メカニズムはかなり明確になり、いわゆるLong-Term Dynamicsに対する解明の緒口を与え得たと考える。將来の電力系統のインテリジェントな監視・警報指令に知見を加えることになれば幸いである。
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