研究課題/領域番号 |
60550232
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹田 美和 京都大学, 工学部, 講師 (20111932)
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研究分担者 |
藤田 茂夫 京都大学, 工学部, 教授 (30026231)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 超格子 / 結晶構造 / 結合長 / EXAFS / 物性 |
研究概要 |
本研究は、新しい発想に立った二元/二元超格子、具体的にはAlAs/GaAs、InAs/GaAs、CaSb/GaAs超格子を取り上げ、その結晶学的構造の解析と新しい物性の探求を行う。三種の超格子はいずれもその平均組成において基板結晶と格子整合するが、それらの混晶状態における原子の混和性が著しく異なるという特長を持つ。作製方法の都合からInAs/GaAs超格子を取り上げ、その結晶構造解析および電子的な物性の理論計算について得られた結果の概要を述べる。 1.InAsがm分子層、GaAsがn分子層の超格子(InAs)_m(GaAs)_nを分子線エピタキシャル法で成長した。mとnの組合せは(m、n)=(6.45、0.51)、(8.8、1.2)(2.2、1.2)である。 2(004)と(115)指数面のX線回析より、いずれの超格子も基板InPと格子定数が異なるが、超格子自らの格子不整合を緩和し、平均格子は立方晶であることが明かとなった。 3.混晶および超格子のGa吸収端およびAs吸収端のFXAFS測定とその解析法を確立した。 4.EXAFS測定により、(m、n)=(6.45、0.51)の超格子において、Ga-As結合長が2.51A2F2[コード]であり、純GaAs中の結合長に比べ2.4%も伸びていることが明かとなった。これは同じ平均組成の混晶In_<0.93>Ga_<0.07>AsにおけるGa-As結合長2.485A2F2[コード]より更に長く、超格子と混晶では結合長が大きく異なることを見いだした。 5.InGaAs混晶およびInAs/GaAs超格子を電子走行層に持ち、AlInAsまたはInPを障壁層に持つ単一異種接合における二次元電子のエネルギー状態、波動関数、電子散乱機構および電子移動度を理論的に求めた。 6.これにより、混晶における二次元電子では合金散乱が支配的であるが、InAs/GaAs超格子ではこの影響を除去でき、その結果、AlGaAs/GaAsの場合の約5倍の移動度となることが示された。
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