研究課題/領域番号 |
60550239
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
土田 縫夫 豊田工大, 工学部, 助教授 (40023246)
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研究分担者 |
上田 実 豊田工業大学, 工学部, 教授 (00022939)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シリコーン油 / 薄膜トンネルエミッタ / チャージ注入 / 電子附着性 / 電子放出性 / 不純物イオン |
研究概要 |
液体誘電体中の不純物は、その電気伝導及び流動帯電現象等に非常に重要な影響を及ぼすことが知られており、これら不純物の電気的な性質を明らかにする事が望まれている。本研究では多段精密分留装置により精製したシリコーン油と各種不純物を一定量混入したシリコーン油中へ電子及びホールを注入し、その注入レベルから不純物の電子付着性及び電子の放出のし易さを計算により求めた。なお電子及びホールの注入にはベース,エミッタ間の絶縁物として【Al_2】【O_3】-SiOの複合誘電膜を採用した薄膜トンネルエミッタ素子を用いている。不純物として各種アルコール,カルボン酸等20種以上の物質の電子附着性及び電子放出性を求めた結果、電子附着力の値としては0〜0.6eV、電子放出のためのエネルギーとしては2〜3eV程度の値が得られ、それらの値は不純物の化学的構造に大きく依存する事が明らかとなった。先ず不純物が電子附着性を示す要因としては(1)不純物が酸素等酸性度の大きな原子を含んでいる。(2)チャージが遍在し、大きなダイポールモーメントを持っている。(3)2重結合を持ち、比較的動き易いπ電子を持つ大きな分子である(分極し易い)等の事が考えられた。なおこの様な構造は電圧印加時に、電極とシリコーン油の界面において電子放出に対するバリアを低下させる効果を持つ事は明らかである。次に不純物の電子放出性を示す要因としても電子附着性の時と同じく、(2),(3)の要因及び不純物分子が孤立電子対を有する事などが考えられた。すなわち不純物がダイポールを形成するという事は、その分子の廻りに局所電界を作る事になり、そのダイポールの向きによって電子注入もしくはホール注入に対するバリアが低下させられるものと考えられた。
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