研究概要 |
1.新しいタイプのプラズマCVD法によるシリコン膜の作成 高周波電界と直交させて磁界を加えるという、いわゆるマグネトロン型のプラズマCVD装置を開発して、堆積条件をさまざまに変化させてシリコン膜を作成した。反応ガスとしてモノシラン(Si【H_4】)を使用し、堆積条件のうち、(a)放電時の圧力,(b)高周波電力,(c)基板温度,(d)電極間距離,のそれぞれを変えたとき、作成されるシリコン膜の特性がどのように変化するかを調べた。その結果、つぎの事が明らかとなった。 (1)放電時の圧力は低い方が、高周波電力は大きい方が、そして基板温度は高い方が、作成される膜の水素濃度は少なく、導電率は大きい。 (2)電極間距離が大きすぎても、また小さすぎても、膜の特性の再現性が悪くなる。 (3)水素濃度として3〜4原子%、導電率として【10^(-2)】S/cmという値が得られた膜でも、X線回折の結果では、結晶化は認められなかった。 (4)基板温度が400℃のときは、堆積速度は200〜300℃のときと比べて20%以上増加する。モノシランが熱的に分解される効果が加わるためと予想される。 2.コールドウォール型の反応装置への改造 反応容器全体を高温にするのではなく、基板ホルダの部分だけを高温にする型の装置へと、通常のスパッタ装置を改造してみたが、熱の放出が大きくて、安定に加熱できたのは基板温度として400℃までであった。そのため、低圧CVD法では、十分な堆積速度が得られていない。 3.ホットウォール型の反応装置の製作 ガス系の設計と加工がほぼ終了して、電気炉の設計を行っているところである。
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