研究課題/領域番号 |
60550253
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
斎藤 恒雄 東北大, 工学部, 助教授 (70005312)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 投影からの画像再構成 / CTスキャナ / 投影角制限下における画像再構成 / 少数方向投影からの画像再構成 / hollow prjectionからの画像再構成 |
研究概要 |
投影角が制限された場合のCT画像再構成問題で、前年度の研究では拘束条件付外挿法を用いて制限された投影角の部分で測定できない投影データを外挿して求め、正しい画像再構成を行う方式を確立した。このアルゴリズムの性能向上を図るため基礎考察として、画像再構成問題を線形作用素のスペクトル分解という立場からとらえ、特異システムを用いた再構成画像の一般的な解表現を導いた。この解表現は投影角制限の場合のみならず少数方向の投影からの画像再構成など、より一般的な不完全データからの画像再構成問題に適用し得るもので、投影データの測定条件と再構成可能性、測定条件の不備や観測雑音によって生ずる再構成誤差の構造を明らかにした。 この成果から、投影データを直交多項式で展開することにより、投影データ間の相関が明確に表現され、展開係数が帯域制限系列となることが示せる。これに従来まで検討してきた外挿法を適用することにより、投影角が制限されて測定できない部分のデータが復元可能であることを明らかにした。これは一次元処理によって画像再構成が可能となるため、従来までの二次元的な処理に比べて計算量が大幅に削減され、より実用的な手法である。 このような投影角制限下における画像再構成アルゴリズムの有効性を明らかにするため、各種の画像を用いて計算機シミュレーションにより検討を行った。その結果、再構成能力、計算量共に従来まで提案されているものに比べて優れていることが示された。 前述の一般的な考察の成果から、少数方向の投影データから画像再構成を行うときに有効なアルゴリズム、あるいは投影データの因果性を利用することにより、対象の内部にX線に不透明な物質を含む場合に測定されるhollowprojectionデータからでも正しい画像再構成が行えるアルゴリズムを確立し、その性能を検討した。
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