研究概要 |
本研究は、光ファイバを用いたレーザージャイロの光学系を光導波路を用いた光集積回路に置き換えて一体化し、小型・高安定・高信頼性で経済的な高性能のレーザージャイロ回転センサを実現するとともに、その性能限界と適用領域を追求することを目的とする基礎研究である。得られた成果は次のように要約される。 1.光集積レーザージャイロ回転センサの構成に必要な導波型受動素子として、導波光平行化・集光のための導波路フレネルレンズ,レンズ・ビームスプリッタ用の端面結合反射型ブラッググレーティング,光ファイバ結合のための集光グレーティングカップラ等をとりあげ、理論解析を行なってその設計法を確立するとともに理論的性能限界を明らかにした。また電子ビーム直接描画やドライエッチング等による作製技術を確立し、これら素子を個別に作製し、その特性を評価した。 2.ビームスプリッタや位相変調器,光周波数シフタとして用いるための導波型音響光学ブラッグセルの設計法を確立し、実際に素子を作製して、光集積レーザージャイロに必要な性能を実現した。 3.レーザージャイロ回転センサ用光集積回路として、受動サグナック干渉計,周波数変化法サグナック干渉計,ヘテロダイン検出法サグナック干渉計のそれぞれにつき、グレーティング素子を用いた集積化の具体的構成法を提案し、理論的に検討し、各構成要素に要求される性能を明らかにした。 4.周波数変化法を採用したプロトタイプの光集積レーザージャイロ回転センサを実際に試作して、基礎実験測定により光集積回路の特性を評価した。またこの試作光集積回路に偏波保存単一モードファイバセンシングコイルを結合し、実験により干渉計の動作と周波数変化法による検出の可能性を確認した。
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