研究概要 |
I.誘導電動機の2次電流および電気的トルクの検出: アモルファスマイクロ2磁心マルチバイブレータブリッジに負帰還を施して磁界センサを構成し, ±40θe, 0〜10KHzの磁界を-200〜200°Cの温度変化に対して安定に検出した. 本磁界センサの磁心を誘導電動機(IM)の回転子の両エンドリング近傍に設置して, 2次電流(I2)を安定に非接触で検出することができた. さらに, I2の2相検出を行い, これと主磁束の2相検出信号との積演算を行って, リップルのない電気的トルク(Ie)を高精度で検出した. 磁界センサでIM内の温度上昇(室温→100°C)に帯するI2の減少率を測定した結果, 1次電圧一定で27%, 1次電流一定で10%であった. I2, Teを直接安定に検出できることで, この温度変動に無関係にIMの速度制御やトルク制御を高精度化できる基礎を確立した. II.誘導電動機のすべり周波数および2次電流の検出: IMのすべり周波数ベクトル制御を高精度化するためには, すべり周波数(fs)およびI2を直接検出することが必要である. IMの鋼シャフトの2箇所にコイルを設置して磁気マルチバイブレータ形磁界センサを構成することによってfs, I2を安定に検出することができた. シャフトにアモルファス磁性薄帯を巻き, 接着することでI2の検出精度が向上することを見出した. III.磁気エンコーダおよびシャフトトルクセンサ: IMをACサーボモータ化し, 回転子の回転位置を高精度に制御するためには, 高精度のエンコーダが必要である. 多極着磁リング磁石の各極にアモルファス微小磁心を対向させ直列接続する漏洩磁界検出方式によって, ディジタルコンバータと組み合わせた100万パルス磁気エンコーダを構成できる見通しを得た. シャフトの2箇所に本磁界センサを設置して, シャフトのねじれ角検出形のトルクセンサを構成した.
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