研究概要 |
本研究の目的は静的・準静的荷重下における製作管の荷重一変形特性および耐荷力を理論的,実験的に求めることにあった。しかし、諸肢の部分で、静的荷重下における短柱の挙動のみに限定して研究を行った。 実験的研究においては、6mm字のSM58Q材よりなるパイプ10体を製作し、初期不整(初期たわみ,真円度,残留応力)を測定すると共に、純圧縮耐荷力実験を行った。初期たわみ,真円度を測定するため時別の治見を製作した。残留応力は歪ゲージにより切断法により測定した。得られた結果は次の様になる。(1)束材の降伏応力はSM58材としては非常に高く60.9kgf/【mm^2】であった。(2)初期たわみ,真円度などの初期不整値はECCS,APIの規定値以内に収った。(3)残留応力分布は文献での実測例と形状がほぼ一致し、最大圧縮残留応力の値は降伏応力のほぼ20%であった。(4)短柱実験から得られた平均応力-平均ひずみみ関係は最高荷重までは部材の長さに無関係であったが、最高荷重後は長い部材ほど荷重の低下が急であった。(5)耐荷力は我国の道路指示方習の基準耐荷力式より推定できる。 理論的研究はDynamcc Relaxatmの法(DR法)により円筒シェルの弾望性有限変位補助のための電算プログラムを開発した。この研究では特に、最適反復パラメータの効率的決定法の研究に重点を置いた。得られた成果は次のようである。(1)剛性行列の最大・最小固有値から反復パラメタを決定する方法により反復計算の回数を少くすることが可能である。(2)円筒シェルの耐荷力は初期たわみの形状,大きさにより大きく左右される。(3)短いシェルに対し得られた耐荷力は我国の道示とCCSの耐化力式のほぼ中間にある。(4)実験柱の長さ程度のシェルに対しては収れん性に対しまだ問題が残っている。
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