研究課題/領域番号 |
60550321
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木構造
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
廣瀬 壮一 (1986) 京大, 工学部, 助手 (00156712)
丹羽 義次 (1985) 京都大学, 工学部, 教授
|
研究分担者 |
丹羽 義次 福井工業高等専門学校, 校長 (90025784)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1985年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 破壊 / クラック / 地震断層 / 境界積分方程式 / アコースティック・エミッション / 弾性波動 / 散乱 |
研究概要 |
地震断層とクラックはそのスケールこそ違うものの、同一の物理モデルで説明することができ、同じ解析法を適用して解析することができる。そこで本研究では、理論的解析においては境界積分方程式を用い、実験的解析においては、アコースティック・エミッション(AE)計測装置を用いて断層,あるいはクラックの動力学的特性を解明したものである。本研究の内容は大きく二つに分れる。一つは、地震断層やクラックによる弾性波動の散乱問題の解析であり、もう一つは、断層面あるいはクラック面上の応力分布を与えて断層並びにクラックの破壊過程を追跡する動的破壊問題である。 まず、弾性波動の散乱問題の理論的解析においては、二つの相向い合う面を持った理想的なクラックを境界積分方程式により解析した。理想的なクラックに対しては、通常よく用られているGreenの変位公式のみならず、Greenの応力公式も必要であることがわかった。これは、相向い合うクラック面上には二つの未知数が存在するためである。数値解析においては境界積分方程式を一定要素近似により離散化して、平面実体波や表面Rayleigh波の散乱現象を様々なパラメータを変化させて計算した。これらの理論解析に合わせて、モデル実験も行った。PMMA板でできた供試体を用いて波動伝播実験を行い、波形処理をした後に得られた周波数応答を理論解と比較した。両者は完全には一致しなかったたが、大体の傾向は一致している。 一方、断層,クラックの動的破壊問題に関しても理論と実験の両面から解析を行った。理論的解析においては、前と同様な境界積分方程式を構成し、進行する破壊現象を移動境界値問題として解析し、妥当な結果を得た。また、実験的解析においては、アクリル板の破壊実験から検出されたAEに、地震学でよく用いられる転位理論を適用して、発生したクラックの動力学的パラメータを決定した。
|