研究課題/領域番号 |
60550364
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石原 安雄 京大, 防災研究所, 教授 (60027208)
|
研究分担者 |
下島 栄一 京都大学, 防災研究所, 助手 (80027276)
友杉 邦雄 京都大学, 防災研究所, 助教授 (50027265)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 雨水浸透 / 割れ目 / 間隙空気 / 地下水流出 / 地下水涵養 / トンネル湧水 |
研究概要 |
河川流量の中で地下水流出成分は水資源として極めて重要であるが、その涵養・流出過程には末解明な問題が多い。本研究はこれらのうち、1.地下水涵養過程(雨水供給過程)における場の不均質性(水平方向)の効果、及び2.山塊中の地下水の存在と消長特性に注目し、前者では簡単なモデル実験を介し、後者ではトンネルの湧水記録等を参照して概念モデル構成し、それぞれ解析・検討を加えたものである。主要な成果は概略以下のようである。 1.地層に割れ目がある場合の浸透現象について間隙空気の挙動も含めて実験的に研究し、(1)割れ目が層の底部まで達しているときは最終浸透能、累加浸透量は共に割れ目がないときより大きくなること、(2)割れ目が途中までのときには、最終浸透能は割れ目の深さが大きいほど小さく、累加浸透量は割れ目のない場合と比較して、割れ目が雨水で充満するまでは大きいが充満後は逆に小さくなることが判明し、その機構・原因を一応説明できた。 2.山塊内の不圧地下水流出モデルに基づき、河川流量(河道への流出強度)の低減特性、山塊内の流出可能貯留水量、及び地表面からの涵養量について解析・検討し、(1)地下水帯への涵養がない場合には、河道沿いの地下水面が河床レベルに達するまでは、流出強度と地下水位は時間とともに分数関数的に減少するが、上記の地下水面が河床レベルに達した後は、流出強度は時間経過とともに指数関数に漸近する関数で低下すること、また、流出可能貯留水量と河道への流出強度の平方根は直線関係で近似できることが判明した。(2)地下水帯への涵養がある場合については、涵養強度が時間とともに減少する場合について地下水流出の低減過程を知る近似解法を提案し、この方法によって低減段階にある地下水流出強度(河道流量)の時間変化に関する情報から、逆に地下水帯への雨水浸透による涵養量を推定可能であることを示した。
|