研究概要 |
1.基礎資料の収集 本研究の基礎資料とする路面損傷の実態について、初年度は国道の事例を維持管理日誌より42.1km区間について3年分を収集し、第2年度においては阪神高速道路の事例を昭和55年より昭和60年に至る6年分を全線について収集した。両者については損傷のとらえ方,分類法,表現方法などに相違があり、直接の比較はできないが、それぞれについて関連要因を調査して、路面損傷の説明モデルを検討することとした。なお、路面損傷の指標は、国道においてはひびわれ、凹凸,穴,はぐ離,ジョイント部損傷等であり、いずれも件数で表わされているのに対し、高速道路ではひび割れ面積,わだち掘れ量(m/m)となっている。 2.分析結果 国道および高速道路の路面損傷と道路,交通,その他の条件との関連をみるために要因分析(重回帰分析,数量化分析)を行なった。国道における損傷指標に対して交通量,道路幅員,沿道土地利用等を説明変数とした重回帰分析では、重相関係数が0.4〜0.7程度であり、とくに交通量,大型車交通量,信号交差点密度などの影響が大きいことがわかった。高速道路のひび割れ、わだち掘れについても、ランプ間および高架のスパン区間について同様の分析を行なったが、その重相関係数は各々0.4〜0.6,0.4前後と国道での分析に比べてやや低い結果となった。このことから、損傷をこれらの各説明変数で説明することが多少難しいといえる。 3.まとめ 国道、都市高速道路の路面損傷の実態把握,要因分析を行ない、各種要因の影響度のうち、大型車交通量,交通量,停止機会(信号,渋滞)の影響がやや大きいことがわかった。
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