研究課題/領域番号 |
60550377
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市工学・衛生工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松尾 友矩 (1986) 東大, 工学部, 教授 (80010784)
花木 啓祐 (1985) 東京大学, 工学部, 助教授
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研究分担者 |
山本 和夫 東京大学, 工学部, 助教授 (60143393)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 二相嫌気性消化 / 複合基質 / 低温消化 / 低濃度排水 / 上向流式メタン反応槽 |
研究概要 |
二相嫌気性消化法は嫌気性消化法の改良法としてその有効性が注目されている。しかし、その根拠として引き合いに出されるのはグルコースのような極めて分解が容易な有機物を基質とした実験結果である場合が多い。一方、現実の廃水は様々な成分から構成されており、それらの分解反応・速度はそれぞれ異なることも明らかになってきている。本研究では、廃水に通常含まれる成分として、炭水化物,タンパク質,脂質を取り上げ、二相嫌気性消化法における各々の成分の分解を調べることによって二相嫌気性消化法の有効性の評価を行うことを目標とした。 複合基質の例としてベビーミルク(脂質、炭水化物が主成分、BMと略記)、スキムミルク(蛋白質、炭水化物が主成分、SMと略記)を使った実験結果は次のようである。 (1)上向流式濾床をメタン反応槽として使うことによって、COD(cr)200mg/lという低濃度排水に対しても、20℃の条件下で80%程度のCOD除去率を得られることが確認された。(2)その時に水理的滞流時間は1.5〜2程度で十分であることがわかった。(3)除去CODのメタンガスへの転換量は低濃度排水の場合に理論値の80%程度と低くなる傾向が認められたがこれは、メタンガスが処理時に溶存したままで系外へ排出されるためと考えられた。(4)相分離の効果はスキムミルクの場合はそれほど顕著ではなかったが、ベビーミルクではメタン転換率においてきわだった効果が認められた。これは脂質成分がその加水分解時に生じる高級脂肪酸のメタン生成菌に対する阻害作用が、相分離を行なうことによって緩和されるためと考えられる。(5)基質を構成する有機物の組成を知ることは嫌気性消化システムの構成、運転条件を決定する上で重要な因子となることが明らかになった。
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