研究課題/領域番号 |
60550427
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築計画・都市計画
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
武者 英二 法政大学, 工学部, 教授 (10090664)
|
研究分担者 |
崔 康勲 (崔 康〓) 法政大学, 工学部, 助手 (70163722)
永瀬 克己 法政大学, 工学部, 助手 (30061237)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1986年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1985年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 沖縄・渡名喜島 / 民家・集落 / 空間構成 / 二棟型 / 防風林 / 神観念 / 民俗方位 / ユイマール / 民家 / 集落 / 伝統 / 沖縄 / 民俗 / 集落形態 / 渡名喜島 |
研究概要 |
沖縄の民家は、「石垣と福木に囲まれた赤瓦の二棟型住居」と一般的には認識されているが、われわれの久米島における悉皆調査の結果は、実に多様であった。沖縄の民家はこの多様さの中に、家づくりの共通性があり、それらの原理や原則をもとにバリエーションとして建築的表現がなされている。 昭和56年より調査を行っている久米島では、民家構成の原理・原則的なことがらがいくつか抽出されたが、同じ地域の隣の島であるこの島と比較してさえ異った事柄があらわれることから、これらが琉球弧の東西1200kmにわたって点在する離島すべてに共通するかは不明である。文献上からは、空間構成の原理に共通性があるように思われるのだが、形態的には地域的な特徴が顕著にあらわれているように思われる。 <集落>一島一村一部落の渡名喜島は、自然環境の厳しさからか、他の島では見られない独特の景観を呈していた。日本の民家の敷地は、道より高いのが一般的であり、沖縄地方においても同様であるが、この島では逆に道より低い位置にある。敷地を掘り下げることによって建物を侵害する潮風を防ぎ、また台風による破壊から免れている。このような特異な形態を可能とした条件は、敷地が厚い砂質層であるため敷地内の水はけが良く、敷地を堀り下げても浸水することがほとんどなかったからである。敷地が下がっている家は全民家の72%であり、最も深いものは、1.8mも下がっている。 <民家>屋敷内の建物配置は、沖縄地方の典型的配置である。敷地囲いは、四方を囲まれているものが、全体の79%と圧倒的に多い。主屋の91%が南面している。ほとんどの民家が二番座までの構成であり廊下を付随したものが多い。久米島のように生活の場としての裏座敷でなく、そのほとんどが収蔵スペースであり巾が狭い。平面的には、北西の角が欠け、南面が揃って、これも久米島民家とは異なっている。
|