研究概要 |
昭和60年度より3年間に亘り, ポリマーフラッドによる重質油の回収について研究を進めて来た. その1は高温用ポリマーの開発でありまたこれを利用する中東地区を考えるとき, 高塩分濃度水溶液に対するものであることも必要であった. 従って (1) 耐塩性ポリマーとして, スルフォン酸系, カルボン酸系及び両基を備えたものゝ3種類について検討した結果, 両基を合せ持つポリアクリルアミドが最も良い結果を得た. しかし現在まで僅か30,000ppmのNaClに対する成果であるので, 今後より高い塩水に対するポリマーの開発が必要となろう. (2) 耐熱性ポリマーについても現在までラジカル補足剤を利用して熱安定性をうることが出来たが, さらに新しい構造のポリマーについて検討している. (3) 原油回収に関しては, ほゞ3年に亘り, 一軸方向のポリマーフラッドシミュレーションを行って来た. そしてポリマー液の前方に水バンクが形成されているのではないかと予測されたので, 今年特にポリマーの移動状況を分光分析によって遂究して見た. この結果, ポリマーと油の中間にそのような水バンクが形成されていることが判明した. 今後の研究ではポリマーフラッド実験のシミュレーションをより適切なものにするかが大きな課題である.
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