研究課題/領域番号 |
60550458
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
黒田 光太郎 名大, 工学部, 助手 (30161798)
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研究分担者 |
野原 晃 名古屋大学, 工学部, 助手 (60023206)
坂 公恭 名古屋大学, 工学部, 助教授 (90023267)
井村 徹 名古屋大学, 工学部, 教授 (50022968)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
400千円 (直接経費: 400千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 金属とセラミックスの界面 / 金属セラミックス複合材料 / 異相界面 / 微細構造 / 透過電子顕微鏡法 / その場観察 |
研究概要 |
この研究の重要な課題は、金属とセラミックの異種材料の接合界面の組織観察が可能な透過電顕試料の作成方法を確立することである。異種材料ではイオン研磨の速度が異なるため、両者をともに薄く研磨することが困難である。これを克服するには、異相界面近傍をあらかじめ機械的に研磨しておいてその部分をイオンシリングで優先的に研磨することが有効であると考えられたので、微小領域を研磨できるディンプリング装置を製作した。この装置により直径約1mmの領域に最大深さ40μmの窪みをつけることができた。窪みをつけた試料ではイオンシリングの際に研磨領域を特定できるばかりでなく、研磨時間の短縮が可能である。 電顕内引張試料の作成にも窪みをつけた試料が有効であった。幅約2mmの試料に約0.5mmの間隔で窪みをつけ、その領域をイオン研磨してふたつの穴を得て、その周辺の薄い部分を観察することを試みた。この窪みの作成にもイオン研磨が用いられた。約0.2mmの間隔で穴をあけることに成功し、その周辺は透過電顕観察可能なほどに薄くなっていた。 試料に応力が働いている時の転位の運動のその場観察をおこなった。Al合金中にSicを分散させた材料の異相界面近傍では、試料加熱の際に両者の熱膨張の差に起因すると考えられる応力により転位が運動する様子を観察することができた。変形した試料でも異相界面近傍のAl合金マトリックス中に転位が集積していることが観察された。数100℃までの変形ではSic内には転位などの欠陥の新たな形成は見られず、Al合金内でのみ転位の運動が顕著であることが認められた。セラミックスの欠陥の同定についてもこの研究課題で詳細に行ない、とくに面欠陥の同定には高分解能電顕法が有効であることが明らかになった。本研究で用いられた試料作成法は多くの金属セラミックス材料に利用できる。
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