研究課題/領域番号 |
60550472
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属製錬・金属化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鰐部 吉基 名大, 工学部, 講師 (90023150)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 耐火レンガ / 表面粗さ / ぬれ挙動 / 滓化反応 / 浸透現象 / 気孔率 / 液滴法 / 現象論的解析 |
研究概要 |
溶融製錬工業において耐火れんがは不可欠であり、その精錬限界を左右する場合もあるので、多数の現場における適用例が報告されているが、その所見を比較検討できる定量的な工学を確立する必要がある。その一つとして本研究は、溶融スラグによる耐火物への濡れ挙動を液滴法で観測し、耐火物の表面粗さや内部性状の影響について追求した。 れんがは種々の鉱物相やガラス相あるいは気孔を有する不均質集合体で、スラグとの反応や気孔内へのスラグの浸透を伴うため、本報告の観測結果は力学および化学平衡条件を満さない見掛けの動的な知見であるので、ぬれの経時変化を詳細に検討するとともに、指標を用いてぬれの特性を表示して解析を遂行し、耐火物の表面粗さや内部性状との関連でまとめた。又、表面粗さや内部性状の各特性表示法における相互関係を定量的に考察した。 ぬれに関する測定が動的な見掛けの接触角であるのにもかかわらず、その経時変化を定量的な現象論で解析した結果、実験室内の精密な基礎的成果に基づいて、複雑な組織をもつ実用上の耐火れんがに関する現象を定量的に表現しうることが明らかになった。従来工業技術と工学との関連が不足していたこの分野において、本研究成果は重要な指針となるため、第5回国際鉄鋼会議で概要を報告し、その詳細は国内の学術雑誌にまとめた。 本研究成果は、又並行して研究を進めた「金属製錬における耐火物侵食およびこれに基づく金属汚染の機構に関する系統的研究」(一般研究A,課題番号59430012)の解析上の基礎資料として供せられ、本研究課題以外への応用にも重要であることを実証し、まとめて公表できた。内容は該当の研究成果報告に記載した。
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