研究概要 |
本研究は約140℃の低温度において金属基板上にTi【B_2】被膜の析出をイオンプレーティング法とCVD法を組合せた新しい方法、すなわちチタンはRFイオンプレーティング法でホウ素はB【Cl_3】を水素で還元するCVD法で基板に供給するという方法で試みたものである。チタン化合物の形成に最も影響した成膜条件は原料ガス中の[【H_2】/B【Cl_3】]比であって、他の影響は小さかった。合成されたチタン化合物被膜はX線回析により同定された被膜の主な組成から8タイプに分類された。すなわち、タイプ【I】Ti【H_(1.924)】,タイプ【II】Ti【H_2】とTi,タイプ【III】Tiと【Ti_2】【B_5】,タイプ【IV】TiBとTi,タイプ【V】Ti【B_2】と【Ti_3】【B_4】,タイプ【VI】【Ti_2】【B_5】とTiB,タイプ【VII】【Ti_2】【B_5】とTi【B_2】,タイプ【VIII】Ti【B_2】であった。被膜の最高硬度はタイプ【V】の試料で得られたものでHv=1400kgf【mm^(-2)】であった。一般にアルミニウム基板と被膜の密着性は良好であった。 今後はこの方法の技術的確立と被膜生成の機構の解明を行なう。
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