研究課題/領域番号 |
60550506
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
村上 雄 (1986) 東京工大, 工学部, 助手 (60016681)
高橋 恒夫 (1985) 東京工業大学, 工学部, 教授
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研究分担者 |
里 達雄 東京工業大学, 工学部, 助手 (90126318)
高橋 恒夫 千葉工業大学, 工学部, 教授 (90016189)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 急冷凝固 / ロール法 / アルミニウム合金 / 相分解 / 機械的性質 |
研究概要 |
粉末冶金法による強化アルミニウム合金を開発するために必要な基礎データを得る目的で、回転ロール法により作成したAl-CeおよびAl-Fe-Ce合金の急冷リボンの組織形態および加熱に伴う組織変化について研究した。得られた結果をまとめると以下のようになる。 1.Al-Ce合金においては、約【10^6】K/Sの冷却速度で0.5mass%Ceまで固溶限が拡大した。1〜4mass%Ceの組成ではα固溶体中に直径約50nmの球状の第2相が冷却過程で析出した。この球状の化合物は母相と整合で新しい構造の準安定相と考えられる。約【10^5】K/Sの冷却速度では大きさ数百nmの粗大な球状の化合物およびα相セル組織が形成された。この球状およびセル壁の膜状の金属間化合物は、いずれも斜方晶の安定相【Al_4】Ceと同定された。 2.Al-4mass%Fe-4mass%Ce合金および完全なα固溶体が得られたAl-1mass%Fe-0.5mass%Ce合金においては、加熱に際して、母相の〈100〉方向に成長する板状のAl-Fe-Ce3元化合物が微細に析出した。この板状の3元化合物の構造は立方晶で、格子定数は0.410nmと推定され、新しい構造の準安定相と考えられる。Al-4mass%Fe-4mass%Ce合金においては、約【10^5】K/Sの冷却速度でセル組織が形成され、セル壁は粒状の化合物で構成されていた。この化合物は正方晶構造の【Al_8】Ce【Fe_4】安定相と同定された。大きなセルではα固溶体中に立方晶のAl-Fe-Ce3元準安定相が急冷凝固後の冷却過程で析出した。 3.【10^6】K/Sの冷却速度で急冷凝固したAl-4mass%FeおよびAl-4mass%Fe-4mass%Ce合金を加熱すると、Al-4mass%Fe合金では大きさ約100nmの粗大なθ´相が析出するのに対して、Ce添加合金では非常に微細なAl-Fe-Ce3元化合物が析出した。すなわち、Al-Fe合金へのCe添加は本合金の耐熱性を高めることが明らかになった。
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