研究課題/領域番号 |
60550510
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
|
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
田中 一英 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00024232)
|
研究分担者 |
山田 正明 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (30024342)
保田 正文 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (20093106)
YASUDA Masabumi Professor, Nagoya Institute of Technology
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1985年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | アモルファス合金 / 水素吸蔵 / 電気抵抗 / 結晶化 / X線回折 / 結合状態 / 電子構造 |
研究概要 |
チタン、ジルコニウムをベースとしたアモルファス合金は水素を多量に吸蔵し、また合金組成によってはその特性を連続的にコントロールすることができるので、水素貯蔵やエネルギー変換などのための機能性材料としてその開発が進められつつある。本研究は、電気抵抗測定によりアモルファス合金(Zr-Ni系)の水素吸蔵放出特性を調べると共に、その構造変化や結晶化プロセスについて検討したものである。 本研究費にて購入したHPコンピュータシステムを用いて全自動電気抵抗測定装置を作製した。この装置は高圧水素雰囲気中かつ高温で試料に水素を吸蔵させinsituに電気抵抗を10K〜1000Kの温度範囲で測定できるものである。a-Zr_<67>Ni_<33>はH吸蔵により比抵抗の温度依存性は負から正に変化し、また水素濃度に対して2段階の抵抗変化挙動を示した。また高温での結晶化過程では500K近傍でZrH_2析出に伴う抵抗の減少か見られた。a-Zr┣250┫D2Ni_<50>も同様の抵抗変化を示したが、結晶化はまず水素の放出が300〜700Kの範囲で起こり、次いでZrNiの結晶化が750Kで見られた。以上の電気抵抗挙動は併行して行ったX線回析実験によっても確認された。合金組成による結晶化挙動の違いはアモルファス中での水素の熱的安定性およびアモルファス構造の安定性の相関によると考えられる。Zr-Ni系の他Zr-Pd系合金についても同様の研究を行った。 以上の電気抵抗による研究の外、軟X線分光並びに光電子分光による研究も行なった。Zr-Ni、Zr-Pd、Ti-Ni、Ti-Fe、Zr-Fe合金について調べた。その結果水素原子はZrないしTi原子と強い化学結合効果を示し、合金の電子状態を変形させていることが明らかになった。この効果はアモルファス合金中の水素の固溶度、安定性、占有位置及び結晶化過程と密接に関係していることを指摘した。
|