研究課題/領域番号 |
60550543
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河本 邦仁 東大, 工学部, 講師 (30133094)
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研究分担者 |
藤津 悟 東京大学, 工学部・工業化学科, 助手 (20165400)
宮山 勝 東京大学, 工学部・工業化学科, 助手 (20134497)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 粒界 / セラミックス / 湿度センシング / 絶縁破壊 / 拡散 / I-V特性 / バリスタ |
研究概要 |
本研究では、セラミックス粒界の組成-構造-性質の関係を明らかにするための基礎的検討を行い、次のような成果を得た。1.ドクターブレード法によるチタン酸バリウム厚膜における粒界のTEM観察を詳細に行い、90゜ドメインの形成は認められたが、従来説で提案されていたような粒界の両側での180゜ドメインの存在は確認されなかった。また、STEMによる組成分析によっても、添加物等の偏析が認められず、粒界の電気的障壁が何によるのかを明確にすることができなかった。今一つの研究として、同材料の機械破壊と絶縁破壊がともに微細構造敏感であり、両者の間に高い相関性のあることを見出した。2.ZnO-NiO系セラミックスに対して、離溶析出法を適用することにより、粒子と粒界をP型ないしn型半導体に制御できること、またpnpn…の多重接合系が相対温度の変化に対して、電気的に高い感知能力を与えることが判明した。3.単結晶および多結晶Mg0を用いた高温絶縁破壊に関する研究から、破壊が熱的に起こること、絶縁強度とイオン導電率の温度依存性に高い相関性が見られることを明らかにした。さらに、単結晶では転位密度の増加とともに絶縁強度が低下すること、多結晶の絶縁強度は単結晶よりも低いことなどから、微細構造の重要性を指摘した。また、Mg0バイクリスタルへのNiの粒界拡散は、従来言われていたような促進効果を持たないことを見出した。4.多孔質Zn0焼結体の酸素吸着および拡散の研究を行い、バリスタ特性に不可欠とされていたBi203またはPr6O11などの添加物がなくとも、粒界に速やかに拡散した酸素が電気障壁を形成してバリスタ特性を生起させることを見出した。また、TiO2バイクリスタルによる粒界研究では、粒界での結晶方位関係によって非直線的I-V特性が出る場合と出ない場合があることを見出し、今後の粒界研究にひとつの端緒をつけたと考えている。
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