研究課題/領域番号 |
60550591
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野村 正勝 阪大, 工学部, 教授 (10029184)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | フィッシャー・トロプシュ合成 / 金属微分触媒 / 低級オレフィン / 表面炭素 |
研究概要 |
テトラヒドロフラン還流下溶融金属カリウムでFe【I_2】を還元して得た鉄微粉を触媒として用いFischer-Tropsch(F-T)反応をおこなうと、低級オレフィン、特に1-ブテンを高い選択率で与える。本研究の目的は、調製条件を変えて得た微粉金属触媒を用いて、F-T反応をおこない本触媒の特徴を明らかにすると共に、微粉金属を分析し特異なF-T特性が発現する要因を明らかにすることである。得られた研究成果は以下の様に要約できる。 1.種々の条件下でF-T反応をおこなった結果、反応温度は260〜280℃で、【H_2】/CO比は1.5で、また、鉄単独よりもFe-Co(8:2)二元系触媒が、より優れた収率で1-ブテンを与えることが判った。鉄徴粉を水素前処理してF-T反応をおこなうと生成物分布が著しく変化し、【C_4】選択性が消失した。触媒中に混入している副生KIは触媒特性にほとんど影響を及ぼさなかった。 2.鉄徴粉の元素分析により1.6%の炭素を検出した。また、水素零囲気中での昇温脱離をおこなった結果、【CH_4】、【CO_2】、【C_2】、【H_6】を認めた。XPS測定により鉄上のCisピークはブロードで種々の炭素種が表面に存在すること、本ピークの波形分離により主成分はグラファイトあるいは【C_2】【H_4】の様な炭化水素であることが示された。興味深いことに、未処理の鉄ではF-T条件下で表面に炭素種の析出・集積がおこるが、一方、水素前処理を施すと炭素種が析出しにくい状態に変化していることが判った。3.液体アンモニア中でバーチ還元によって得た鉄微粉を触媒としてF-T反応をおこなうとSchulz-Flory分布則に従う炭化水素生成物を与えた。本触媒をメタノールで処理すると鉄表面に炭素種が析出し、【C_3】が40%の高い選択率で生成した。 以上の実験結果より、本鉄微分触媒の表面に析出している炭素種がF-T反応の特異な活性発現に関与しているものと結論した。
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