研究概要 |
シリカゲル,アルミナ-硫化ナトリウムおよび塩化チオニル処理したシリカゲルを用いて高度の官能基選択性をもたせることが出来た。更に新規生理活性物質の合成,開発にもシリカゲルを触媒として利用することが出来た。 1.アルミナ上に硫化ナトリウムを担持させた新規還元剤を用いると、アルデヒド類とケトン類の混合物で、アルデヒド類のみを選択的に還元してアルコール類へ収率よく変換することが可能となった。 2.β-トリフルオロアセチルビニルエーテル類はシリカゲル存在下に種々のアルコールと極めて容易にエーテル交換反応を行うことを見出した。アルコールとしてアリルアルコールを用いると、エーテル交換に引き続いてクライゼン転位をおこし、C【F_3】基とアリル基をもつアセチルアセトンがえられた。これはさらにヒドラジン類,ヒドロキシルアミン類,グアニジン類と容易に反応し、C【F_3】基とアリル基をもつピラゾール類,イソオキサゾール類,アミノピリジン類などの合成に用いられることを明らかにした。 3.シリカゲルを塩化チオニルで処理してえられる塩素化シリカゲルを用いることにより、カルボニル化合物のアセタール化およびジチオアセタール化が可能であることがわかった。又ケトアルデヒド類のアルデヒド基のみを選択的にジチオアセタールとして保護しうることも見出した。更にこの塩素化シリカゲルを用いることにより、例えばフルフラールなどや、ピリジンアルデヒドのように酸触媒を用いる従来法を適応できない化合物でも容易に、かつ簡便にチオアセタール化およびジチオアセタール化できることを見出した。 4.4-アルキル-2H-1,4-チアジン-3-オン誘導体の合成にシリカゲルを触媒として用い、これら物質の合成法の改良ならびに新しい関連物質の合成をすることができた。
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