研究課題/領域番号 |
60550644
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中山 守雄 (1986) 熊本大, 工学部, 助手 (60164373)
野中 敬正 (1985) 熊本大学, 工学部, 助教授
|
研究分担者 |
江川 博明 熊本大学, 工学部, 教授 (50040358)
野中 敬正 熊本大学, 工学部, 教授 (50040423)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1985年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | アルカリ金属イオンの膜透過 / 高分子膜 / 分離機能膜 / 上り坂輸送 / アルカリ金属イオン選択透過性 / 2,3-エピチオプロピルメタクリラート |
研究概要 |
本研究は新しい高分子素材として、研究者らが先に見い出した光感応性モノマー,2,3-エピチオプロピルメタクリラート(ETMA)と極性基を有するビニルモノマーからの共重合体を用いて膜を製造し、アルカリ金属イオンの膜透過におよぼす紫外線(UV)照射の影響などを検討することによって、上り坂輸送および選択透過性と膜構造との関係を明らかにすることを目的として行ったものである。極性基をもつビニルモノマーとしては、メタクリル酸(MAc),2-リン酸エチルメタクリラート(MP)および2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(TBAS)などを使用した。その結果、つぎのような知見が得られた。1.ETMA-MAc,ETMA-MPおよびETMA-TBAS共重合体いずれからも膜機能を評価できる良好な高分子膜を得ることができた。2.これらの共重合体膜において、アルカリ金属イオンに対して高い上り坂輸送能を有する膜を合成するには(1)キャリヤーであるカルボキシル基,リン酸基およびスルホン酸基を、湿潤時に膜が膨潤によって破れない範囲でなるだけ多く膜に導入すること(2)セルの左側と右側のpH差がなるだけ長時間大きく保たれるような膜にすること(3)Cl-のようなアニオンが拡散しにくい膜にすることが必要であることがわかった。3.ETMA-MAc膜においてUV末照射膜では湿潤時破れて使用できないMAc含量の多い膜(MAc56.3mol%)でもUV照射によって物理的強度が増加して使用可能になった。またETMA-MAc膜はUV照射によってアルカリ金属イオン間の選択透過性を増大させることができた。4.ETMA-MPおよびETMA-TBAS膜は解離性の高い基を有するのでETMA-MAc膜より高いアルカリ金属イオン輸送速度を示した。またそれらの膜はセルの右側が中性溶液からもアルカリ金属イオンを輸送できた。
|