研究課題/領域番号 |
60550663
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹内 寛 名大, 工学部, 助教授 (40043286)
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研究分担者 |
高橋 勝六 名古屋大学, 工学部, 助教授 (20023278)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1986年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 液膜分離 / 多相エマルジョン / 支持液膜 / 膜安定性 / 多孔質ポリマー膜 / 濡れ特性 / イオン透過 / 水透過 / 透過係数 / 重金属物質移動係数 / Mass transfer coefficient |
研究概要 |
乳化型(ELM)及び含浸型液膜(SLM)の実用化に際して問題となる液膜安定性並びにイオン輸送機能低下の予測とSLMの連続再生方式の開発を目的とし以下の成果が得られた。 [1]ELMでの水浸透に伴う内部水滴の破壊と水取り込み挙動を代表的な有機溶媒について検討した。Span80のケロシン油膜を通しての透水係数として0.7×【10^(-5)】cm/sを得た。しかし、比較的mildな撹拌条件化でもトルエン系の破壊率は直鎖高級炭化水素に比べて約10倍も大きく滴分裂し易くて水取り込み量も大きい。 ELMの溶媒としてはn-dodecaneが最適なことを見出した。 [2]SLMの安定性を純有機溶媒-水系の膜破過時間について検討し、直鎖系>直鎖異性体、脂環族>芳香族炭化水素の順に低下することを見出した。また膜支持体材質とmorphologyの影響を水の接触角(θ)変化から検討し、cosθ→1への外挿値に相当する「臨界濡れ時間」を導入し、SLM劣化特性の指標となることを見出した。 [3]SLMのフィード及び回収液の流路側境膜物質移動係数を平膜と中空糸の両モジュールについて検討した。平膜では既往の式と一致したが、中空糸外側では約5〜10倍大きくなった。一方、膜内物質移動係数は細孔径による影響は小さいが、理論値の約1/3〜1/5になり、拡散透過時の面積変化の影響を示唆した。 [4]SLMによる回収率を高めるため、装置内の接触時間が大きい積層型平膜装置を試作し、Cr(【VI】)のアンモニア水による回収を検討した。その結果、Cr(【VI】)の緩衝効果により回収率が高められることを確認した。また共存イオンの影響も検討した。 [5]SLMには寿命があり、その機能低下は避け得ないことを実験的に示し、その劣化防止策として毛管作用と浮力を利用する連続再生方式を提案した。単一中空糸モジュールでその有用性を確認するとともに、実用化を目的とした多管式SLMを試作し、その適用性を重金属イオンの飽和溶液に近い濃度までの濃縮分離により確認した。
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